パパになって幾年

医者やっています。娘大好きです(育児中)!

博士学位論文予備審査を終えて

こんばんは、epipapaです。

 

博士学位論文審査の準備で今月はブログを修正する余裕もありませんでしたが、やっと先日【終わり】ました。

 

世の医師たちは博士号取得を目指して、ある医師人生の中において4年間、大学院生として研究に励むわけですが、弱小教室だと研究テーマをほぼ自分で考え、その後も手探り状態…はよくあることなわけです。自分は、前任の先生から引き継ぎされた仕事(研究テーマ)があるにはあったのですが、それがうまくいかず、このままでは非常にまずいと感じ、2年目に急きょ、あるテーマを見つけそちらを論文にしました。

 

ただ、さらっと1行で書きましたが、最初の論文を作成して以後、複数のジャーナルにrejectされ(涙)、その度に指導医とともに追加解析や検討を行っているうちに歳月は流れ、あるジャーナルにacceptされた時点で3年経過していました…。まさに産みの苦しみを味わったわけです。

 

で、その大切な1本の論文を握りしめ、先日、学位審査に臨みました。娘は「パパが博士になる」と言って朝から大はしゃぎ。現実的には臨床医にとって、博士号のあるなしで特に何が変わるというわけではないんですけどね…。

 

学位審査は20分間、主査1名と副査2名にプレゼンテーションし、40分間の質疑応答時間が容易されております。教授陣は座っていますが、自分は立ったままなのが地味につらい。プレゼンはそつなく終え、副査の質問もなんとか耐え忍いだのですが、主査は…ダメでした。いやー、論文の内容全面否定したいかのようなボロクソな感じで責め立てられました。40分超過してもまだ言い足りないようでしたが、時間制限があるので終了。

 

試問後には、部屋から退出を命じられ、主査と副査で何やら話し合いがもたれます。通常、気の良い教授であれば、部屋から出ていくときに、「合格だよ」とかなんとか言って肩を叩きつつ去っていく…らしいのですが、当然、そんな雰囲気ではなく、部屋に戻るとさらにブツブツ論文の文句を言われ、「宿題」を命じられました。

 

これでもうダメ…とは決まっていないと思いますが、ひとまず妻に状況を伝えると、妻が娘に端的に「パパ、駄目だったんだって」なんて言うもんですから、自分が帰宅すると、娘が「パパ、かわいそぉお~!!」と大声で泣き叫んでおりました。そして大粒の涙を流しつつ、「可哀想な」自分に、最近作り方を覚えた『卵焼き』をご馳走してくれました。

 

仕事では落ち込みましたが、家庭では娘の温かさに触れ、なんだか不思議な心地の一日となりました。