こんばんは、epipapaです。
『同志少女よ、敵を撃て』をAmazon audibleで拝聴中。舞台は独ソ戦争。史実をベースにフィクションが加わったもので、主人公はソ連側の女性スナイパーです。
2022年本屋大賞受賞に第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞作、第9回高校生直木賞受賞作でもあります。話題、総なめ。
物語を聴いていると、ロシアによるウクライナ侵攻関連で現在ニュースで報じられている、ロシアのやっていることは第二次世界大戦のときとなんら変わっていないことを知りました(焦土作戦とか兵糧攻めとか、女性スナイパーとかも!)。
作中ではドイツ・ソ連ともに『絶対悪』という描き方はされていないので、立場によって敵・味方が変わってくる感じでした。戦争の悲惨が描かれ、おそらく史実なんだろうなと思いつつ、そればかりを深く詳細に書き連ねても、読者が辟易するだろうと判断してか、そういうのは時々さらっと目にする程度。そもそも戦闘シーンも白兵戦ではなくスナイパーの戦いなので、血生臭さは少ないです。女性が主要メンバーって点でも、戦争の負のイメージを軽くするのに一役買っています。
史実や戦争用語の知識がない人にも伝わるように、説明が多く、まぁ正直(audibleなので)字も見ずに耳で聴いているだけだとチンプンカンプンなのですが、そこをよく分かんないけどカッコよさげ!とワクワクするか説明口調でウンザリする…と読み(聴き)進める気が削がれるかは人それぞれでしょう。とりあえずこの作品は"歴史本ではない"ので、歴史好きの方には辛口評価のようです。あくまでフィクション、ドラマとして読む(聴く)と受け入れやすいと思います。なかなか時期が時期なので映像化は難しいでしょうが、見てみたいと思う作品。
個人的には本屋大賞獲るだけあって、聴いていてとても面白いです。他人に薦めるかというと人を選ぶとは思いますが。ただ、物語として面白いというのとは別に、ロシアのウクライナ侵攻を目の当たりにしている現在、出会って良かったという気持ちの方が強いです。