いつでも会える:パパ編

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蜜蜂と遠雷:映画感想

こんばんは、epipapaです。

 

今日は、待ちに待った『蜜蜂と遠雷』を映画館で観て参りました。

 

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原作が大好きです。最初に不満な点、後に良かった点を書きます。

 

上下巻のボリュームを2時間程度に収めないといけないのでスタッフは大変だったと思います。原作好きからしたら、映画のみではこの作品の面白さの半分も表現できていないのでは?と思いました。

 

まず本来、これは主役4人の物語なのですが、そこは潔くその内の一人である『栄伝亜夜』に焦点をあてた内容に改変されています。映画だけみれば「彼女の再生物語」です。でも、過去にトラウマがあった彼女がピアノコンクールを受ることになった経緯や、彼女を支える友人の存在もなく、再生する経過が十分に表現できているとは言い難い。

 

『栄伝亜夜』を映えさせるために、他の主要キャラも演出は控えめorランク下げ。原作版では主役のような存在であり、ホフマン先生が遺した完璧なピアニストである『風間塵』の凄さがいまいち周囲に伝わっていない(笑)ただ、キャライメージは原作通りで、鈴鹿中士さんは良い俳優さんですね、新人さんらしいですけど。そして、小説ではルックス抜群、アイドルオーラ全開、パーフェクトヒューマンこと『マサル』のはずが、映画版ではオケとの合わせで悩んでいる(泣)演じている俳優さんは森崎ウィンさんという方らしいが、ミャンマー出身とのこと。原作の『マサル』はペルー人×フランス人の息子という設定ですが、想像では西洋人系かと思っていたので意外でした。『高島明石』は途中で落選したものの『生活者の音楽』が一部の人に評価されているところは映画版では抜けているので、4人の中ではちょいと残念な感じになっています。

 

ちなみに、ちょいちょい片桐はいりさん演じるクローク係が、物語の間に映し出されます。原作では登場しないキャラなのですが、これ…どういった意図があるのでしょう?最後まで分からず。

 

演奏シーンの演技、そしてプロピアニストによる演奏は、本当にすごかった。原作がいくら良くても、本当の「音」は聴けないので。この「音楽」が聴けただけでも映画館に来た甲斐がありました。最後の『プロコフィエフ:ピアノ協奏曲 第2番』も良かったんですが、『栄伝亜夜』が幼少時に母親と[雨音]を音楽で表現するシーンが印象に残りました。【あなたが世界を鳴らすのよ】と母が娘に囁くシーン。ちょっとゾクッとしましたね。世界は音楽に溢れている。

 

映画なのに、演奏終了と同時に実際に拍手している人もいたようです(後で妻に聞きました)。それまでは「最近の音響システムは凄いなー、本当に横で人が拍手しているように聞こえる…」なんてアホなこと思っていました。トホホ。

 

とりあえず、原作ファンは必聴です。原作未読の方は、頑張れば1日で読めるので読んでいきましょう。

 

映画では一部しか聴けないので、ファンはCDも買いましょう(笑)