自分は幽霊を見たことはないですが、怖い話は大の苦手です。娘が言うことを聞かないときは「おばけが来るよ」と言ってるけど…ごめんね。パパも超絶怖がりなのよ。
当直室では必ず照明をつけて寝ています。
夜の病院は怖いのかというと、実際はナースステーションは24時間コンビニのように光っていますし、救急車を受け入れる病院であれば、当直している人も多く、案外「怖い」と感じる環境ではないです。よっぽど田舎の療養型病院の当直の方が、暗くて静かで怖いです。
万が一、自分が幽霊を見てしまったら、気絶するだろうと思っていますが、人間って実際に幽霊を見ても平然とするもんなんですよね（もちろん全員ではありませんが）。日頃、患者さんを診ているとそう思います。
幻覚の1つである、幻視が出る代表的な病気として認知症やパーキンソン病があるわけですが、視えるものは様々です。
死んだ人、生きているけど遠方にいるはずの家族（子供や孫）、全く知らない赤の他人（軍人、子供等）…あ、人間以外にも動物や虫とかもあります。
患者さんは、逃げるわけでもなく（追い払おうとする人はいますが）、普通に会話を試みる方が多いです。ちなみに触ろうしても触れません。触れる瞬間に消えるそうです。面白いことに、「本物じゃない、これは幽霊（幻視）だ」と本人は自覚しています（もしくは指摘すると自覚できるようになります）。
先日診察したＡさんは、食事時に必ず家にあがってくる幼児たちがいると話していました。毎度、「あんたたちの分のご飯はないよ！おうちに帰りなさい！」と言うそうですが、ちゃっかり幽霊の分の食事を作ってテーブルに並べるようで、旦那さんがいつも作り過ぎだと怒っているそうです。
まぁ、そんな感じで、幽霊と普通に会話するので、患者さんは怖がりません。認知機能も低下しているのも理由の1つかもしれませんが。
ちなみに、幻視とは違いますが、夢の中で人に危害を加えられそうになり、抵抗しようと寝ぼけて現実世界で暴れ回る睡眠障害の1つ、レム睡眠行動異常症という病気もあります。夢を見ている本人は夢の中で恐怖を感じているようですが、近くで寝ている家族もたまったもんじゃないです。
まぁ、死んだ人より生きている人の方がよっぽど怖いってことですね（なんか違う）。
